介護保険法の改正で変化したこと

介護保険法は3年毎に改正されるが、今回の法改正で大きく変わったポイントについて考えてみよう。まず、介護保険自己負担額の3割負担が創設されたことは、大きなポイントだといえるだろう。今まで介護保険サービスを利用する際の自己負担額は、各自2割負担までだったが、所得が現役並みと定義される340万円以上ある高齢者は、今後サービス利用した際は、3割負担となる。これは、年々膨らみ続ける社会保障費の軽減目的もあるが、必要以上に介護サービスを利用している高齢者への抑制目的の側面もあるといわれている。日本全国に3割負担に該当する高齢者は、介護保険サービスを利用している高齢者全体の3パーセントほどで、約12万人に登るといわれているようだ。

また、上記以外にも、今回の改正では、福祉用具レンタルの見直しも行われた。今までは、福祉用具のレンタル料金はレンタル業者が決めて良いことになっていたが、レンタル業者によって金額にバラつきがあり、介護保険の自己負担額も同じ福祉用具を借りてもレンタル業者によって費用が変わってしまうという部分を是正するために、今回の介護保険法改正で変更されたのだ。

そのため、これからは、厚生労働省が全国の平均レンタル料金を算出し、その料金を基にレンタル料金の上限が決まる仕組みになった。また、年に1回全てのレンタル用福祉用具の料金見直しがされることになり、福祉用具の利用を検討している高齢者に対し、同じ福祉用具でも金額や機能が異なるものを複数提案するように義務付けられた。これにより、福祉用具利用者は、決められた福祉用具を使うのではなく、複数の選択肢の中から選ぶことができるようになり、大きなメリットを享受できたといえるだろう。